音楽のやうに

と云ふ約束はどうしたものか

それを汚い手を出して壊し続ける

一つのことについては必ず必着だよ

あの丘から見える

順序をただ一つ間違えただけでも

まるで意味が通らない

新しい色にもならないし

形にも至らず

音楽ははるかにどっかへ越えて行ってしまった

 

では、絵画的に

といふのはどうなんだらう

死や別れは絵画的になれるのだらうか

色に関して云へば

むしろ無だ

積み重なるものが無くなった

輪郭が溶けて四方八方へと流れ出す

正気を保つためにはしきりに脚でリズムをとる

指や腕を出す動作も位置を地軸にとどめるためだ

電線がビュンビュン鳴ってゐる

 

最後の最後になって

たうたうさやうならを云ふためには

公平と公正をどのくらいに図らなければならなかったのか

石のやうに

不意に落下する

鳥たちももう飛ぶのをあきらめた

でもお天気が回復しさへすれば

音楽と色彩がうまく重なり合ひ始め

また今度こそ石のあの水平の窪みの中へ

きっとまた会いに行く

そこへ

 

 

倉石智證