■1913フランツ・マルク「動物の運命」
マルクは世の中がいい方向に向かうために戦争が起こることを望んだ。
アーヤはそれを知らない
サーヤは素知らぬふりをした
折角をどうしたものか
この野郎とシンジはつぶやく
共同の住宅を海の方に運ぶ
波音がしきりに会話を打ち消すのだ
灯りを消すまでもなく
アーヤは下半身だけを脱いだ
サーヤは素知らぬ顔をし続ける
何らかの条件を出さない限り
この窓も出入り口も開かない
大勢の人たちが集まり出しているのは確かだった
興味本位で
首に紐を付けるのはいい考えかも知れない
シンジはいつまでも呟き続け
サーヤは手伝い
アーヤは犬のやうになった
アーヤはうれしがりシェアハウスはついにドアが開いて
三人が外へと歩き出すと
大勢の人々の群れはさっと左右へと開き
新しい径が出来た
誰かを犠牲にしない限りはこの共同体には受け入れられないのだ
波打ち際まで来て
人々は三人を押し出すやうにして
人々の顔はようやく喜びに満ち溢れて来る
遠くの方にシェアハウスの灯りの明滅するのが見え
アーヤは自分が今やまるで犬のやうだと思ふ
二人は大衆の中に紛れ込み
みんなが別れ別れになり
これで三人が永遠に打ち解けると云ふことも無くなった
倉石智證
