■木につらら(正月湯沢地区)

 

/豆眠る福豆作り鬼やらい

/小松菜に葛飾舟の朝みどり

/浅草に撥音ばちおと冴えて春来たる

/剣戟けんげきや春を呼び込む演芸場

/太棹ふとざおに指滑りゆく白魚の撥音冴えて女浪曲

/地吹雪や姫鬼になる雪女

/傘差して冬の雪行く横殴り

/噴石の礫つぶて流れて雪まじり

/水蒸気白根爆発冬の雷

/水蒸気爆発予兆何もなく草津の人は宿に気を揉む

/湯揉みより気を揉む山の神ならば収まりたまへひらに畏む

/「私なりの大きな花を咲かせたい」小平奈緒の誓い平昌

/舌噛むや首相答弁始って八戸沖で地震速報

/すわとなむ地震速報ば様に「連れっておくれ」すぐに云はるゝ

/人間の都合犬には殺処分痩せ衰えし不安眸に見ゆ

/その内に心壊れて人も犬もゲージの中に飼われしままに

/次郎起き太郎は眠る冬の繭

/布団から顔出してみる息白し

/季節早や春へと流る花粉時

 

倉石智證