家ごとの白装束や寒開けぬ
/汁粉まだけふまでと云ふ御慶ぎょけいかな
/音無きや松青々と雪被り
/窓による雪掻きの音落ち着かぬ
/降る雪や鵯ひよの声さへ音に消へ
/四方氏の四方よもは白くて仕方なし
/みんなみの国から帰る雪漫々
/告げにけり凍結防止有線の
/甘酒やあゝシーナさんぢゃないくすり
/笹鳴りや雀の声を四谷まで
/白地に赤く、だなんてやだね軍国の音
/降る雪や不図雪冤せつえんと云ふ言葉
/雪降って雪冤はらすことありや
/百姓に一息つくや雪の朝
/南天に雪の白さを問ひにけり
/降る雪や正しき道のあらまほし
/降る雪に寒さ一入ひとしおおこうこう
/魴鮄ほうぼうの髭にまつはる寒さかな
/これはまあ平成の雪あといくたび
/雪しずり雨だれの音続きけり
倉石智證
