光太郎思ひ出したる霜の朝

/啄かれて木守と云ふも無残やな

/木守柿赤に残して昼の月

/柚子風呂や乾燥肌をいかんせん

/柚子玉の顎に寄り来る湯の加減

/柚子風呂や昨きぞに浮かべし去年今年

/柚子ジャムや柚子湯ばかりの世でもなし

/有線の呼べば悲しき尋ね人すぐに忘れる人のおほかり(12/22)

/まず一杯をもういっぱいと去年今年

/おしなべて年の功より酒の請う

/先頭を妻行く後を去年今年

/ありがたや立つ見る飲める去年今年

/瀬をはやみ年の瀬ばかり温め酒

/年の瀬やちとゆっくりを云ひ聞かせ

/年男やぶから棒に気を付けて(わたし戌年)

/ちはやぶるとまれ神には云い澱み

/年の瀬や背を真っ直ぐに押し立てて

/行く年や新老古老山談義

/そろそろと気持ちばかりは年の暮れ

/煤払い荒神様はふためいて

/中パッパ慌てふためく年用意

/ご和算ではじめましては年の暮れ

/明日かもしれないと会ひに年忘れ

/活き活きと忘年会や去年今年みな持ち寄りし思ひ出ばかり

/あんさんの思ひ出袋フォルダーにサンタクロース妻にいそぎぬ

/門に松そっと置きやる人の無し

/イルミナの人の心にX'mas

/鉦の音の鉦に冷へゆく「火の用心」

/胴間声アメ横と云ふ風物詩

 

倉石智證

ちと早いが「去年今年」「年の瀬」「年の暮れ」───