夕暮れて電信柱と誘い出す

ルゥーイ、ルウーイ、ルウーイ、

ルウイ、ルウイ、ルウイ、

トミオー、トミオー、トミオー、

ジー

蜩のあやしきまでに

鳴きいそぐ

をち鳴けば近こち鳴いて

すぐに夕闇が土蔵をすっぽりと覆いに来る

不思議な安堵と疲労に身を任せ

いつまでとは云はず

おゝ、裏の背戸の方ではカナカナも鳴き始め

今、道路灯が点る

 

妻の足音が台所に落ち着き

さあまたささやかな今宵の祝宴へと

ばーさんも連れて

行きませうか

 

倉石智證