サンタ・ローザの呟き
Sant Rosa が呟く
あんな空に
七月の朝に輝きまるで深紅色に
樹上に
甘くなったよ、ほらほら熟れたよと
実を誇らしげに葉の裏に輝かす
梯子を上れば
あゝ、梢にサンタローザ
誰が名付けたかは知らないが
従弟いとこのあなたが云った
収穫の手を休めて
おまへが薔薇科であることを教え
あゝ、なんと云ふことだと今はその芳香に噎むせる
キリストに従ふマグダラのマリア(携香女)ではないが
甘美に己の棘に傷つく
受難に悔悟するのだ
葉と果実が千の光りを受けて耀くよ
果実園の樹上を越えて朝まだき
カッコーの声がうるさいほどに聞こえて来る
セイント・ローザ
聖なる薔薇よ
それを冷たく冷やして
朝の食卓に供する
倉石智證
Santa Rosa=アメリカで作出されたニホンスモモの一品種。
果実は大きく、濃紅色。果肉は黄色で多汁、甘味が強く芳香がある。
結局、娘に送ることになる。明日には着くだらう。


