整理する命を帙ちつに閉じ込める抽斗ひきだしを開け抽斗を閉め

/ばーさんの納戸の辺りをうろうろす何度呼んでも変わらずになり

/寒いから止せて云ふのに何度でもこのひつこさは皇国少女

/人知れず浪江の桜窓閉ざす

/婚活やありたしコノハナサクヤヒメ

/弱法師よろぼしと桜の精と踊りたし

/淡墨うすずみと墨染で聞く桜かな

/あのダムの石の傍ら桜かな

/桜花幾春かけて馬場あき子

/メディシンを少しください眼に桜

/風流や桜の花を杯に入れ

/桜待ちブルーシートに文庫本

/桜花それはイバンカ、ワシントン

/花筏流して国に共謀罪

/ワトソンは虫眼鏡して雌蕊かな雄蕊の風を待ち望むなり

/靖国の鳥居にお辞儀しては去る千鳥ヶ淵から武道館まで

/武蔵野に花流し込む日和かな

/深大寺蕎麦に箸止む花の宴

/花の雲青山墓地に寝転んで

/軍靴響く万朶ばんだの桜南下軍

 

倉石智證