人家ひといえのたれか最初に竈かまどの火

/芦原の末黒すぐろなりゆき冬ざるゝ

/亀のごと首をすくめし寒さかな

/トンネルを越えて雪国缶ビール(友達がスキーに)

/雪段丘陽は新あららかに東から

/spring has come 雪の丘を越えて

/菜引きぬ女美しき小正月

/遠き日の繭玉の色可愛いらし

/やしょうまに繭玉豆餅甘酒にみなおふくろの味忘れがたきに

/パンドラの箱開かりゆくトランプの底ゐに残りし希望はありや

/トランプに真逆を云ひしキャビネット少し頼もしパンドラの箱

/Elpisエルピスはパンドラの箱災厄の底に残りし希望の化身

/ばあさんの水道管にお洋服凍結防止冬の寒さに

/丼の熱さは寒の馳走かな

/湯湯婆の湯のやはらかく効きにけり

/湯湯婆の湯はやはらかく聞きにけり


臀部痩せて何から話すジュウシマツ

殿中で御座るぞ松の廊下なり

刃傷は人情となり風呂の桶

獄門に近づくばかり赤いベベ

グァンタナモ水責めばかりスコルピオン

断裁す黒き鍵盤スケルツォ

(シューベルト)でなく魚三枚に卸す


/鮠はやの背に薄氷うすらい光る橋の下

/水仙の香に落ちかかる寒さかな

/じいさんの褥瘡の替え小半時尻の寒さを肯うべなひしかは


倉石智證

股引を引き下げられ、

臀部はうっすりとそげかかり・・・