一山は富士山であり雪の峰

/凍て猿も湯に入りぬるをときほぐれ

/さるものとなりぬる世間また可笑し(猿と去る)

/繭玉に売り場正月真っ盛り

/白菜は4分の1一人鍋

/日脚伸ぶそろそろ山は童話めく

/少しはと母を手伝う師走かな

/カビキラーほんとのわたし黴キライ師走の風呂場父の頑張り

/愛してる、どのくらいって、このくらい。今年も無事に了はりました。

/老老やなだめすがめつ年の暮れ

/耳呆りて師走の夜をぽかんぽかん

/これやこの言葉の瓦礫がりゃくの上に立ち旗を振りてし一人になりたい

/カネがない、若さがない、美貌がない、わが三無斎座りてしまゝ

/アナーキーに、よりアナーキーに師、走る

/ヒトリは永遠の迷子に一人は混乱と恐怖の中で───

自爆より繋がりがいい走り出る

/交番に迷い込みにし子を屠ほふる子羊はまだ野をさ迷ひしか

/爆弾に破砕してゆく子供らはトマトではない、リンゴでもない

/ジハードは年齢でないと嘯うそぶきし昏くらき羽交ひに子らを閉じ込む


/颯爽とアリゾナに佇ち演説す世間の承知うさん臭さは

/盟神探湯くがたちやアリゾナの海油浮きまだ神明の解かれざるまま

/アリゾナに漏れ来る油兵士らの無念の泪色黒くして

/花を撒く海は応えず花を撒く隣の人はno apologize

/いっぱしの平和論者やふくと汁(アタルかもしれない。当たらないかもしれない。)


倉石智證