多くの意味不明があって

意味不明が横たわってゐて

一斉にそれらがこちらを振り向き

こんにちは

木石ニンジンでもあるまいし

帽子を取って起立して

道路に向かってお辞儀をする


あゝ、あこあこあこしろばんば

僕らの小さいころは綿毛のやうな小さい羽虫を追いかけて

軒の下や

柿の木の下など空に向かって仰向いて

みんなで歓声をあげながら追い回したものだ

時が過ぎて仕舞へば

多くの意味不明があって

それらはたいてい記憶違いのことだった


両手を挙げて雨乞いをするやうに追いかけて行っただなんて

それが今ではある晴れた日に

まるで木偶の棒のやうに整列して一斉に

道路に向かってお辞儀をする


倉石智證