怒りをもって振り返れ、って青虫くん

君のことだよ

むんにむんにとよく自分の途をゆくなぁ

ぼくが背中を摘まむとむにッて角を出して振り返る

何か見えるのかい

人間の大きな顔だ

眼鏡をかけたそいつが笑ってゐる

青い高い空がその後ろにあって

そのうんと高い方の辺りのことは少しの予感を感じつつも

まだ分からない


さあぼくらはよくよくのことを考える

人生のことや、転生のことや、智慧や知識についてだ

ついにホルモンを、と考えた時

目もくらむような長い長い時間のなかの一点に

自分たちはたまたま生きているって分かって

怒りをもって振り返れ、って青虫くん

僕の予感とはいつか蝶になって

あの高い空を飛んでゐる夢だ


倉石智證