泡がぶくぶく
泡がぶくぶく
あゝ、また今朝じーさんはしくじっちまった
ほら、と顔の前に出すと顔をしかめる
股引からうんちが垂れてん
ひさしぶりにけふはいいお天気になった
ばーさんはよろこんでふーらふーらと畑に行っちまった
おーいおーい、うんちが洩れた
おーいおーいどこにいるのかな


おいちにおいちに泡がぶくぶく
おいちにおいちに泡がぶくぶく
それでもウォシュレットは気持ちがいいな
だめでしょう、だめでしょうと何度云はれても
そんなことはわたしにはだめでせう
あかんぼうはいつか襁褓がはずれるけれど
わたしは自分の襁褓をもう知らない


あー、すっきりしたのか朝の食事
白粥にして梅の雑炊
うまいな、うんまいな
もりもりと声をかけないでねいまのわたしに
股引は盥の中に
今朝は久しぶりに晴れた
泡がぶくぶく
泡がぶくぶく
ばーさんは畑にふーらふーら
おーい、この分ぢゃあそのうちにうんちの大洪水になるぞ


倉石智證
二人の老人はいつもたわいなく別々の場所に行かうとするのでありました。
追いかける途中でうんちを漏らす、何時も忘れる。
わたしではなく、妻はいつも大変なのであります。