ピッピさんの部屋に行こう

もどかしさに

でもまだでしょう

でも「よく来たね」ときっと挨拶される

 

黄金づく麦畑に

だれかさんとだれかさんが

手を引き合い麦の熟れの中に

うれしいことはどこかちぐはぐだ

転ばしてね

陽がまっすぐに落ちて

ほうらね、家にゐる方があたたかいよ

でもね

どうしても外に行きたい

麦の穂の芒のぎのちくちくと

母さんには云わないで

 

鳥の鳴き声がうまいね

ピッピさんの部屋に行こう

外表の感じを伝えたくて

わたしは不器用な観察者だ

自分の影が死んだやうな昼ににやたらと長くなる

 

倉石智證