やっとなぁそれよいよいよい
寄せて返して返して寄せる
夜は闇深く
祭り太鼓の鳴り渡り
手が踊れば足も躁ぐ
死者も生者も集い来る
お盆ござれと稲穂を見れば
白い花穂にはトンボが群れ飛ぶ
お指お指が風になびいて
波の穂かけてやって来る
死者生者
門に火焚いて
こっちにお出で顔を見せてよ
やっとなあそれ
裏へ回りましょ
やっとなあそれ
表へ返りましょ
必ずやって来る、青い山の麓の
広い稲穂を駆け渡って
お手をつないで足元出して
お手を離してくるりと回る
夜や闇のやさしくなりて
不意の寂寥の喉元に酸く
おまへ来たかと、やっとなぁ
それめでたいな
顔を見せてよ
やっとなぁ
それよいよいよい
やっとなあ
倉石智證
田舎ではお盆に餅を喰う。
黄な粉を一杯つけて蜜をたっぷり垂らして、
餅を喰う。
「よく噛んで食べろし」
妻は入れ歯のじ様に云ふ。
ほかにホウトウまで頂く。
祭り太鼓が聞こえ来る。