犬を打つために戸を立てた
そんなに追い詰めてどうするんだ
蟻の視線に立てば
蟻はまるで荷物を運び続ける生活者だ
陽の光に炙られて
獰猛になる
落ちた犬はあそこにゐる
それを寄ってたかって
世間は面白がる
濡れた鼻づらに蟻がたかる
泣くんぢゃない
陽の盛んに当たる所に出れば
それで二人は幸せになる
朝になれば太陽が待ってゐる
多かれ少なかれ
みな似たやうなものだ
不幸はみなそれぞれに違う形をしてゐると云ふから
拳を握って放つ
公平なものか
犬を打つためと云ってけふは戸を立てるな
倉石
英国のEU離脱をふと思って───
(14,6/27「智笑ポエム」)
偶然と過失からしか未来は生まれないものだから
有刺鉄線の外へと軍隊が滲み出てゆく
出て行って街区を侵し
すぐになに喰はぬ顔をして村長さんの家の戸を叩いた
我々が存在し、存在し続ける意味とは───
島田雅彦16,6/19日経
「そもそも進化には目的はない。いまある結果が選ばれただけだ」
ところで我々人類はなぜかくも地球上にはびこることになったのかというと、
そこに目的はない。
私たちはあらゆる行動に目的を求めがちだが、
そもそも進化には目的はない。
今ある結果が選ばれただけだ。
私たちはただやみくもに行動しながら、未来に向かうしかなかった。
「AIは、政治も含めて全業種を最適化して行く」
囲碁や将棋や、自動車の自動運転などのことではない。
「政治的判断、歴史的決断、国家予算配分、立法や法改正など
政治を人に任せている限り、同じ過ちを繰り返すことになるので、
最も合理的な政治的選択をするには人工知能の方が信用できるかもしれない。」
選挙「投票」──
誰が日本の将来に対して責任を持ち得るのか。
誰が英国自身の将来に対して責任を持ち得るのか。
誰が世界の歴史に対して責任を持ち得るのか。
誰が地球の将来に対して責任を持ち得るのか。
民主主義と「民意」ていうものが常に抱え得る危うさ。
ドストエフスキー的、カフカ的混沌。
人々は時に不幸の中へとその結末が分かってゐながら、
真っ逆さまに飛び込んでゆく。