資本金10億円以上の大企業の内部留保だけで299.5兆円に達し、

前年度から14.4兆円も増えたにもかかわらず賃金の上昇に結び付いていないと

共産党赤旗は噛みつく(15,9/25日経ビジネス)

内部留保は───

・雇用者賃金

・設備投資

・配当

・自社株買い

株式資本主義ではしかし、

「コーポレートガバナンスコード」「スチューワードシップコード」

それに昨今の"ROE主義"が喧伝され、株価、株主配当の方へと意識が重点化されてゐるやうだ。


私たちの資本主義はどうなっているかと云ふと、


■これがほぼ現実であり、企業の経常利益は伸びているものの、

雇用と、納税は海外で実現され、

その名目は日本の大企業と云へども労働分配率には反映されない。

(16,1,12日経)

■GNIとGDP乖離(海外投資と配当に)

▲国内の賃金には反映せず。


日本の産業構造は───


このやうになっており、

企業数は421万社余りだが、

大企業は=1万社(0.2%)

・利益で=70%のシェア

・納税額で=約50%

・従業員で=30%

・設備投資も大企業のウェートは=70%近い。


大企業群のGDPと納税額と、賃金に及ぼす影響は大なるところであることが分かる。

(16,6,7日経)

中小企業=日本では企業数の99%超、働く人の70%を中小企業が占める。

1990年代初頭の頃までは、日本の生産ラインは大企業から中小企業まで、

一貫して国内で完結するピラミッド構造をなしていた。

しかし、円高を嫌う大企業はどんどん海外へと生産拠点を移してゆき、

新興国の経済の伸長もその生産のサプライチェーンシステムを補完して行く。

一方国内に取り残された中小企業群は、まるで国内の不動産よろしく、国内から身動きならず、

アベノミクス発の円安を享受できないどころか、逆に輸入物価高によるコスト高に苦しむことになる。

トリクルダウンは断絶した。

民主主義とはマイナーを取り残さないことを工夫するところにあるはずだが、

ミドルは、米国でも日本でも今まさに転落の危機にさらされてゐる。


中国を始め新興国には賃金も安く、長時間労働にも耐えうる大きな労働力の塊が出現した。

プロセスイノベーションはルーティンワークの雇用をさらに脅かす。

残酷な市場リスクにグローバル化に乗り切れなかったミドルはさらされ続ける。

最低賃金を上げたりしてもその程度ではミドルは取り戻せない。

同一労働・同一賃金は正規を守ることになりやしないか。

そもそも労働市場において、賃金価格がその市場で与えられるとすると、

企業はどのやうな合理的行動を取るのか。

企業はボランティアではないのである。

1990年末期のバランスシート不況と、コストカットのトラウマは、

あんな思いは2度と、と固定費における"バッファー"を

必要悪とせざるを得ないのが企業の本能となった。


資本主義は持ちこたえられるのか。

民主主義はかくもむつかしい連立方程式を突き付けてゐる。

アベノミクスは中小企業以上を、法人税では特に大企業を後押しする。


企業もこれに呼応すように、また大企業の自民党への献金額を増大させた。



上場企業の手元資金が過去最高の=109兆円に。


ピケティ曰く、───

マネー(資本収益)が一般労働収益をはるかに上回って行くのである。

いたるところに潜むデバイドと、そして、転落と・・・
道徳と倫理を外れた資本主義は自己震動する。

格差がある所までゆくと、戦争が始まるか、共産革命に至るとか、

世界は確かに今そんな予兆に曳き回されつつあるやうだ。