ぼくを待ってゐるところのきみとの関係

ぼくを待ってゐるところのきみとの関係は

椅子に腰を掛けたきみの姿勢に

青空を見上げる時のきみの眼に在る

1930カンディンスキー「ルントウムとスピッツ, (曲線と指摘)」

ぼくを待ってゐるきみとの関係はずいぶん考えたんだが

不承不承ぼくはそれを認めた

コーヒーにしやうか、紅茶にしやうかずいぶんともめた

ようやくきみは椅子から立ち上がって来て

もうその時は背景は青空のずっと後ろに在って

きみはしょっちゅういつも二言三言を云ふが

それは必ずしも正しくはない

 

ぼくはずっと時間を待ってゐた

椅子にたどり着く前に

実は時間のうちに二人は在って

きみは気が付かないふりをしたが

ぼくはきみの胸のポケットに簡素な花をプレゼントする

すると時間がやっと元の通りに動き始めた

愛してゐるってムツカシイ

手と足が盛んにふたりして

テーブルの下で動き回る

 

倉石智證