霜練ねれたって「シモネッタ」て聞こへて
それは女性の名前ではないのかって
妻は畑から青々とした小松菜を摘んできた
霜に練れた
て云ふよりは
雪に練れた、とでも
青味を恋しがるのは人間だけでなく
雪間を狙って鵯ヒヨも椋鳥ムクドリも
やはらかいところを啄みに来る
けふは人間が頂くのはその残ったところだ
でも、それでも妻は頬を輝かせて
雪の畑からけふ、
ぼくや、じ様や、ば様のために
指を悴ませてこの青々とした小松菜を摘んで来たのだった
「何にするかね」って
もう4時になる
倉石智證
この地方では霜の季節に青物の葉は霜練れる、と云ふ。
菠薐草、小松菜、冬菜、野沢菜───
霜練れると葉っぱは甘くなる。
2016,1/22の作品。
畑には雪があった、と云ふことのやうだ。
けふは甲府盆地は冬晴。
葡萄樹の剪定の残枝や、林檎の木の剪定枝を、
山と畑に積み上げて燃やす。

