階段を上がる

階段を下りる

上下する度に

きっとあなたでせうか

階段のきつさはtanθで表します

無数の、無限の音階が流れ出て来る

ゴールドベルク、

麦の穂が揺れるたびに

黄金色の

打ちのめされる最初の眩暈に

たわわに

それがわたしの悩みです


花々の香りがする

蜜と果実は御褒美です

それがお話になって大勢が訪ねて来れるやうになる

一体階段の上はどうなっているんでせう

わくわくですね

まるで底辺と高さのことを誰が考え付いたものやら

あゝ、上がる度にどうやらまた眩暈が襲ってくる

頭が理解しやうとすると混乱が続きます

感覚がもっと速いスピードで世界に広がって行ってしまふ

シータ(θ)、際限もなく続く音階

とうとう・・・


ゴールドベルクこの見事な催眠の後で

さあ、

下りるときはもっと一気に飛び降りてしまいませうか

あゝ、

羽が生えた


倉石智證