蔓が生垣の上に

伸び放題になる

冬薔薇よ

何にもまして

母娘が手をつないで歩いてゆくのを見かけるのは

実に気持ちのいいものだ

(15,1,10日経)フランス、パリでテロ。

9日、パリ北東部の立てこもり現場の上空を旋回する軍用ヘリ=AP

 

心から願ふ

それを

生ぐさい風が渡ってゆく

憎悪をたぎらせて

そんなにカラシニコフの音の響きが心地いいのかい

薄い丸い眼鏡に黄色いベレー帽を被って

まるでロックミュージシャンじゃないか

どうしたんだ

子守唄を忘れたのかい

いま自爆ベルトに手をかけた

肉塊が破砕されれてゆく

 

怠惰な夏が終わり

秋はもう放恣に熟成する

その蒼穹の掌たなごころの下

たった一度しか死なないものを

何をそんなに怖れるのかと

愛ではなく

憎しみを

もっと憎悪をと嘯うそぶくのだ

 

祖国を持たない者たちは銃を子守歌に

愛を見棄てた者達には

ちゃうどいい

自爆ベルトを手渡す

ぼくらはは正気でない

この日こそ粛々と行進を

自由を、大通りに出てラ・マルセイエーズを唄う

耕された畝に血が満ちて来る

見たのなら見たと云へ

いま、冬薔薇が地に落ちる

フランスで、香港でいまも混沌が続く───

© Philippe LOPEZ  AFP 仏パリのイタリー広場で、

催涙ガスから逃げる「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)」運動のデモ参加者

(2019年11月16日撮影)。msnニュース

 

倉石智證

フランス国家「ラ・マルセイエーズ」

武器を取れ 市民らよ

/隊列を組め

/進もう 進もう!

/汚れた血が

/我らの畑の畝を満たすまで!

 

いずれにしても

おそろしげな歌だ。