ところが

世界が張り裂けやうが

明日の収穫のことを心配している

ほんとに?

て云ふほかない

ところで

わたしには明日の収穫ほどはどうでもよくなってしまった

明日何時 ?

て云はれてもとても困る

明日、ちゃんと来るだらうか ?

て云はれてもそれも困る

来るか来ないかは勝手だもの


一度は眠ったはずだと思っていたのに

またぞろ起き上がって来て

注意する

とても気に病んでたまらないのだ

どうしたの、それで眠れないなんて

止してくださいね

それでわたしの眠りの側まで来て顔を覗き込むなんて

あんなところに旗がかかってゐる

風が吹かなければぴくりともしない

晴れたり曇ったりですよ

収穫は二三日待ってもらったら ?

畑は逃げてゆきませんから


ゆっくりして行ってください

僕と一緒に食べましょう

大勢の方がいい

食べて、笑ふでしょう

そして、忘れる

それがいい

少しは世界のことも考えたらどうなんです

あそこで何が毎日起こってゐるか

わたしは知らない

わたしのことはどうぞ起こさないでください


倉石智證

生の、生の終焉の日まで、

人は───。