些かともたじろがない

もはや雲古も叱呼も吾がことではないのだ

尻を覗かれても他人さまのことのやうだ

一向に構わない

のほほんとしている


台風の後では夏が少し戻った

山の天辺には雲がにょきにょきと立ち

白雲に「生きよ」、と云われる

ところで目の前で目の当たりにするのは

少しずつ岸辺を洗う水の行く川の流れだ

ちっともよくないじゃござんせんか

砂が攫われてゆく

いつの間にか命を削られて

食うこと以外関心がない


ちっとはこっちを向いてごらんなさいって

ごらん、コスモスが揺れてゐる

それを見向きもしない

じ様を乗せて農道を走らせる

収穫の後で辺りは一斉に枯葉色が混じって来た

じ様、じ様と呼ぶ

些かもたじろがない

でもけふはそれでもよかったね

お天気が晴れて

床屋さんに行けて

きれいになって

オネエチャンのとこでも行くか


倉石智證