鯰、手の平に

ひらひら、にゅるにゅる

セギにボテを突っ込んで

足で水流を躁さはがす

土色の水をボテに掬へば

ドジょっこだのふなっこだの

ときに雷魚がにゅっと笑ふ


夏、雲にしろく

追いかけて、追いかけて

麦畑に、黄金色に

追い詰めては土蔵の翳に

はっはっ、

共犯の笑みだ

なにをやってゐたんだらう

まこと、少年の日の老い易く

頬杖、無聊ぶりょうをかこつ


倉石智證

(webより)

Gin a body meet a body

/Comin' thro' the rye

/Gin a body kiss a body

/Need a body cry?

ライ麦畑で出会ったらきっとキッスを交わすでしょう。

泣くことなんてないでしょう?

If a body meet a body, the thing is a body's own.

※gin【接続詞】(方言)=if もし。

ライ麦畑で女が男と出会ったら

/抱きしめられても叫んだりはしません

/ライ麦畑で女が男と出会ったら

/ どんなことがおこるでしょうか

/ライ麦畑で女が男と出会ったら

/二人だけのお楽しみ


この歌詞はスコットランドの大詩人ロバート・バーンズによる詩で、

方言が多用されている。

これを歌詞とした楽譜が最初に出版されたのは、

1794年の John Watlen による Old Scots Songs とされるが、

この本は現存せず、実在に疑問もある。

あの「蛍の光」の作詩もバーンズによる。


『The Catcher in the Rye』サリンジャー(1951)


「故郷の空」

夕空晴れて秋風吹き

/月影落ちて鈴虫鳴く

/思へば遠し故郷の空

/ああ、我が父母いかにおはす


澄行く水に秋萩たれ

/玉なす露は、ススキに満つ

/思へば似たり、故郷の野邊

/ああわが弟妹(はらから)たれと遊ぶ

{『故郷の空』は、

1888年(明治21年)刊行の『明治唱歌』で発表された。

日本語の詞を書いた大和田建樹は、

紀行文や韻文、和歌、新体詩、唱歌の分野で業績を上げた国文学者で、

「鉄道唱歌」でもよく知られている。