いつかどこかで別れた続きの話を
もう何度でも繰り返し話すことも
別に悪気があるわけでなく
少し退屈でもてあましている
それで必ずしも何の話だったのか思い出すでもなく
出不精のわたしはなんでもそこいらですまさうと
立ち話で
じゃ、これでよいんだらう
じゃ、これからちょっとと
不思議なはなしだ
いつかどこかで別れた続きが
ふいとこんなところに顔を出し
どうなん
どうなん
とわたしをつつき回すが
さう云ふあなたはどうなん
いつかどこかで別れた気がする
話の続きをこんなところで
立ち話に
遠いどこかにゐるはずの
話だけでは分からない
来て、来て、
ドアの外にでも
あなたが消え去っていても
生きている証拠に
玄関に少しばかりの水迹が残る
夢の痕に
でもぼくはそれを泣きたいほどにうれしく思ふ
来てくれたんだね
倉石智證