とんぼはトンボ蝶は蝶
おつながり
せっせっせ
あゝ、その無心の間
蝶々やトンボたちはいったい何を考えているんだらうか
おい、おまへ
お互いに余所を向いて
何事もないかのやうに
知らんふりして
しかし、今
命のぎりぎりを燃やし尽くしているのは間違いない
時々、躰を震わす
あと2,3日か
命の瀬戸際に在って
みるみる翅がぼろぼろになって行って
でも、それですらおまへたち幸せなんだ
掠めもせずに地に落下するものもある
そして、蟻に運ばれる
残されたモノはバクテリアの巣になって
やがて土へと還される
人間でなくてトンボ
人間でなく蝶々
まったく知らんふりして
喜びであったり、悲しみであったりするわけでなく
気持ち良かったり、しみじみするわけでもなく
ただ連中はそっぽを向いて
あっちとあっちを向いて
この上なく真面目だ
倉石智證