ミトコンドリアはどうしたか

と云ふ話なんです

ついさっきそこで会ったばかりなんですけれど

美しいですね

花、花々なんですよ

間違いありません

あそこです

薄紅色に映えて

その皮膚の下に

あわ立ち、盛んに

挨拶は、しましたよ

片時も無く蠢いてゐました

ぼくは、しかし

おしゃれに帽子でも被せたらどうかと思った

ミトコンドリアさん、こんにちは

そして、ようこそ

です

ループに入って行ったら

さらに秘密の連鎖の中に届くかもしれない

そして、挨拶は記号で飛ばされる

コドンの前では僕たちはただただ

偶然性に任せるしかありません

嬉しいですね

賢治さんがゐましたよ

アリスさんと手掴んで

お帽子が、風に飛んで行った

ミトコンドリアさーん

 

倉石智證