ポストに郵便を入れたから桜前線に運ばれてすぐに着くよ

思ふ存分に花 さくらかな

人を思ふことに花 さくらかな

 

花に、花樹に寄り添へば

花はいつもそこに在る

世界で何十億と云ふ言葉が呟かれてゐるのだから

このくらいの花びらは当たり前だよ

おいで、ここに

 

それは美しいではないか

それは健気ではないか

それはもう一斉に咲いて来て押しとどめ難い

こちらをじっと見てゐる

深く内省せよと維管束の中を

人を殺すな

花が咲き開くのは当たり前だけれど

自分で死ぬなよ

与えられたものだから

 

万朶ばんだの桜の花の前で眼ん玉を落とす

しみじみと両の手の上のそれを見て

ふと、戦争を思い起こすのだ

こんなに眠たくなるほどに幸せなものだから

彼がけふ何を食べたかって

それだけが気にかかる

 

倉石智證

サイパン戦───

終戦から3か月半後の同年12月1日に正式に米軍に投降した、

大場栄陸軍大尉が指揮する集団の兵士たちは

(米軍への投降時の人数は、大場大尉を含めて47人)

タッポーチョ山を下りて投降式典会場となった米軍基地まで向かう際に、

本曲を全員で歌いながら行進した。

「歩兵の本領」

万朶の桜か襟の色

花は吉野に嵐吹く

大和男子と生まれなば

散兵戔さんぺいせんの花と散れ

・・・・・・・・・

日本軍戦車の残骸(webより)