アイラブあなた

さやうならはしない

木の葉の数だけお話をあげる


春になれば芽吹いて

そよ風がその周りにまとわりついて

すぐにさやさやと声を立てる

夏になるときらきらと空いっぱいに緑に輝いて

それだから両手いっぱいに広げて

窓を開ける

ぶんぶんと蜜蜂の羽音のやうに

耳元近くいつまでも

最初は賑やかで陽気でいいなと思いつつ


でも、ざわわ

時には一人にしてほしいと

畝に駈けこんて坐ると

まるでしーんとして世間から一人ぽっちになって

ざわわ

またじきにあなたの元へ帰る


柳の絮よ、柳の絮、

真っ白に空に開いて

伝へてよ

真実を、愛を、

もう少しでこの地を離れる時が来るならば

あゝ、もう両手で支えきれない

しめやかに季節はやって来るのだ


倉石智證