いつ生きるのか
と聞いたら
いつでも
と答える
いつ死ぬの
と聞いたら
いつでも、と答えた
死ぬのも生きるのも、いつでもだった
パンを焼いてゐる
いつ食べるのって聞いたら
うまくなったらと答えた
獣を獲りに行ったが
獲れるまで、と云った
腹がへってひもじい時はがまんする、と云った
雨の時は屋根の下に入り
膝を抱えてじっとみんなで空を見上げている
誰かが唄えば、声を合わせて歌いはじめる
やがて晴れたら、出掛ける
取り立てて当てもないが
いつものところへ行けば何かがある
みんなで分けあったらね
またみんなで歌い、泥の上で遊ぶ
風呂に入ることは無いけれど
水浴びは好きだよ
それで死ぬ時は清潔であっけなくて
みな泣いてくれるけれど二三日もすればみなまた忘れる
大勢が死んで死んで死んで
赤ちゃんがたくさん生まれて来て
そんな風にして
そのあたりのことは
木の上を過ぎる風だけが知っているよ
倉石智證