存在の暗くて深い森に踏みとどまり続ける
どこにでも在る、すり減った形のスリッパ
みんながわたしのことを踏みつけてくれて
わたしの名前はリシャウィで
それはわたしが付けた名前ではない
みんなが付けてくれた名前で
いまさらながらそれがわたしで在ることにわたしは喜んでゐる
しかし、どうしてこんなことになったのか分からない
わたしが地球とその親族をまるで愛してゐ無かったのごとく
そして、わたしは或る対価のごとくけふ
この世から消えさるが
別にあらかじめ自分に決められたことで悲しみは無い
自分にも夫が在ることを思い出して
日常の、毎日のやうに忘れるほどの会話があったりして
そんなごく普通のことを今は思い出す
あなたたちが正しくて
私たちが全く間違っているのかさへ
今では全く分からない
そもそも私たちが
なんでこのやうにあなた達を憎んでゐるのかさへ分からない
水がそこから流れ出るやうに
ごく普通に憎むのだ
まるでそれは血のやうに赤い憎悪で
それは生まれてこの方、多分あなたたちが教えてくれたことで
わたしたちの神がわたしに人を憎むやうにと教えてくれた
そしてある日
井戸から突然水が溢れるやうに
自分が死んでもいいほどに多分憎しみが生まれて
わたしは夫とともにあと何年生きられるか知れないが
爆薬を腹に巻いて
一緒に死ぬことを決めたのだ
ハルナにもゴトウにもサーカスベにも
みんな齢老いた母や、父親がゐるのは知っている
同様に、ではなぜあなた達にはわたしたちにも
同じやうに親族がゐるのだと云うことに気付かないのだらう
わたしたちが死ぬのがあたかも当たり前で
サーカスベが死ぬのが全く英雄的であるがごとく
しかし、それはちょっと変だ
命が等価であることを教えてくれたのはむしろあなたたちだった
わたしの眼の裡が暗くなる
別に泣いてゐるわけではない
わたしの前に、そして私も含めて
そして、みんないなくなる
毎日毎日が人を憎み続ける煉獄がどのやうなものか知ってほしい
あなたたちが温かい場所でコーヒーを飲んでゐる
そのちょっとした間に
いま行くよ・・・
その点を御理解いただきたい
■14,12,25ヨルダン軍機「イスラム国」が撃墜か 操縦士拘束
■ヨルダン軍が同日、パイロット拘束の事実を認めた。
軍は墜落の原因に言及していないが、「イスラム国」は撃墜したとしている。
連行されているのは、モアズ・カサスベ中尉である。
■15,2,4日経
イスラム国に拘束されたヨルダン軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉が
1月3日に殺害されたとの見方を示した。
かれは牢屋に繋がれたまま、油を掛けられて焼き殺されたとされる。
2/4、ヨルダン西部カラクでカサスベ中尉の追悼式典に参加する中尉の父親(右から3人目)ら=ロイター
■悲し気な表情である───
15,2,4ヨルダン(リシャウィ死刑囚の刑執行)
ロイター通信によると、ヨルダン政府は4日、
収監中のイラク人の女、サジダ・リシャウィ死刑囚の死刑を執行した。
15,2/3、米ホワイトハウスで会談するオバマ大統領(右)とヨルダンのアブドラ国王=ロイター
2005,11,9サジダ・リシャウィ死刑囚はアンマン連続テロ関与
「夫に自爆を強制されたが、私は誰も傷つける意図はなかった」などと証言した。
ただ、一連の取り調べに毅然と応じるなど
「訓練された屈強な女性」との印象を持つ政府関係者も多い。
2005年11月、ヨルダン国営テレビが放映したサジダ・リシャウィ死刑囚=AP(15,1,26日経)
倉石智證


