可愛い女ひとでゐたいのだ

手を膝の上辺りに置く

テーブルに金鏤梅まんさくの花が咲く

メールを送ったらすぐに返事が来た

だが、それは完璧に文字化けしてゐた

金鏤梅の花が黄にちりちりする


アイスキャンデーの尻尾

ふたりして食べたね

まさかあんな高いところまで上るなんて

おーい、といつも呼びかけている

1インチの差で言葉がどこかへ逃げ去った

put your hands above your knees。


可愛い女でゐたいのよ

そこに口紅で唇を捺す

金鏤梅の花が黄にちりちりしてゐる

両足をテーブルの下にきっちり揃え

両膝の辺りに両手を置く

眼は伏し目がちで

古い懐かしい恋の歌を唄う


置き去りにしていた言葉たちが、

眼を覚まし、

起きあがり、

戻って来た。

さやうならが、そこで、何度も立ち止まる。


倉石智證