死むなよ
と云ふたが、それこそ大ぜいが死むだ
大勢の魂はすぐに冬の蛍になって
ほうたるよ来い
無数の火に集めて
ほら、竹の灯籠に火を点す
ゆらゆらゆれて来い、生きている人たちとに
両手を合わせて祈れば
頬を照らす灯りの
確かに
忘れるなよと鎮魂の
無数に林立する死者たちの
われの後ろに立て
間近に
ロウソクの火の灯りの竹の筒に
灯り灯りや、灯明の火の揺らぎや
高く、高く、もっと
頭上高く、あの天の頂きまで届けよ
そりかへる死よ、炎炎炎炎炎
佇立する死よ、焔焔焔焔焔
天没、地没、と云へり
何千といふ何万といふ灯明の冬の蛍よ
見えないからと云って、そこにゐないんぢゃあない
無数の沈黙した視線が見詰め返す
手を合わす
祈り返す
「1/17」を越えて
倉石智證