■(14,12,10日経)

サトヤルティ氏が

「私の娘」と何度も呼びかけると

「児童救済のために長年尽くしているサトヤルティさんの横に座れてとても光栄だ」

とほほ笑んだ。


マララはまだだ

彼女は星から送られてきた一つの奇跡だ

あの平和な懐かしい渓谷に星がまたゝく

緑豊かに、丘陵地では羊飼いが羊の群れを追う

人は貧しいけれど、耕して

神に祈る

陽がたどたどしくすべての貧しさの上を照らす


スワト渓谷。

日干しレンガの隅で日影のやうに黒い衣服を着せられて

学ぶなと、云われて

そして、彼女が口を開く

言葉がこぼれた

それは誂あつらへられたのではなくごく自然に

強い眼差しの中から

硬い一つの確信から

絶え間ない決断から

常に唇に溢れかえって


one child,

one teacher,

one book,

and one pen

can change the world.

Malala insists that education is the only way,

that it isそれこそが

their only weapon against extremismエクストルザム過激派.


「わたしの娘」

と何度も呼んだ

手に手を取り合ふやうに隣り同士に座るとき

何千万と云ふ子どもたちがいたいけ無く

たよりなく心細げな星々のやうに天空に瞬く

そのやうな沈黙ではなく

私がここに来たのはと

何千万の学べない少女たちの私として

今ここにゐると

またしても確信に満ちて世界を指さすのだ

天から遣わされた者の

彼女は一人のポエムになる


もーいいかい

まーだだよ

マララはまだだ

星がまたゝく


倉石智證

(14,10,11日経)

Malala Yousafzai 1997,7/12

出身はパキスタン北西部のスワト渓谷。

松の木が茂る肥沃な地で、丘陵地では羊飼いが羊の群れを追う。

自伝に「私の渓谷は今でも世界で最も美しい場所」と記すように、

帰郷の念は強い。


(14,12,11日経)

パキスタン───

地方では女性を10代前半で結婚させる古い因習も残る。

パキスタン政府によれば、

同国では5~9歳の女子のうち学校に通っているのは54%にすぎない。

全土でも10歳以上の女性の53%が読み書きができない。


サトヤルティさん

「児童労働は『経営者の強欲』が生み出す」

インド政府は12年に14歳以下の子どもの労働を全面的に禁止した。

しかし貧困にあえぐ親は、子どもを働かせる以外に選択肢はない

インド労働・雇用省によると11年時点で、

児童労働に従事する5~14歳の子どもの数は全土で約435万人。

だが実際はこの10倍ともいわれる。

レンガ工場や縫製工場など細かい手作業や視力の良さが要求される作業現場では、

子どもは安価で従順な働き手だ。

「子どもたちの夢を否定すること以上の暴力はありません」


マララ

「強国とされる国々は戦車をたやすく造るのに、

学校を建てるのはなぜそんなに難しいのか」とも指摘し、

世界のリーダーに「教育のために行動を起こすときだ」と呼びかけた。


学ぶとは生きる力を。

学ぶとは深い認識であり、

世界を理解するためにはもはや道徳ではなく、

歴史を、世界の理性を学ぶことだ。