人死んで冬のイナヅマ冴えかえる
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こんにちは
亡くなられたんですね
あまりに突然なことです
冬の稲妻
雪が降って来る
きっと心の臓が吃驚したのでせう
それにしたって、
ついこの間会ったばかりぢゃあありませんか
言葉を喋っていましたね
別れ際に手も握り返しました
さやうなら、と笑いながら手を振って
不思議です
今はもうきっと銀河系の彼方にポンとばかりに飛び立って
どうもあそこら辺で笑ってゐる
あまりに一瞬のことで
自分が死んだことさへ気がつかずに今でも
あゝ、きっとさうなのだ
一人で逝くのは寂しいのですね
おいでよと、だからかうしてみんなで
ぼくも大勢のみんなに交じって
きみの長い間の多くの航跡のことを考えている
もうしかし、こんな時にもなって
きみの笑い顔しか思い浮かばないなんて
人死んで冬のイナヅマ冴えかえる
ぼくたちだっていずれいつかはと
ぎょっとしてわたしと誰かはと
お互いにまじまじと顔の真中を見つめ返す
倉石智證
中学の同級生が突然亡くなった。
心筋梗塞である。
奥信濃はもう、雪が降り始めてゐる。