サイの雲古

サイは孤独だ

一匹のサイの飄然と野原を行くがごとく

眸が笑ふ

河馬は莫迦か

河馬は暑いのだ

やたら水分でできている


一人荒野を行くサイのごとく歩めと、

あの人はおっしゃる

河馬の背中のごとき奥さんの愛すべき背中だと、

あの人もおっしゃる


二人は子午線に沿って

ちょうど正午に背と背を合わせてお互いの方向に出掛けて行った

また次の正午ぴったりに

二人は出会ふことになるだらうと云ふことだった

青空が広大に広がり

大きな二つのお尻りが揺れながら遠ざかってゆく


倉石智證