他者への共感と

公平な観察者としての自分を胸に

歩きだしたつもりだ

私の歩きはロコモートする

そのたびに背中の模様がなだれて

虹色に輝く

それが私にとっても自慢で

草むらから出た時などはしばらく石の上に休み

背中を陽に翳かざしてゐるほどだ


他者への共感はいつも他者への共感で

しかし、すでにもう

けふ何を食べたかは覚えてもゐない

ただ腹がくちく

腹が重たくて

それでお腹を石で温めてゐる


私の他者への近接は

他者による身体の近接によってのみ行われる

それはとても稀に見る敏捷さだ

わたしは彫像のやうになって動くことを止める

意識にまるで依らないで

動くモノの中に沁み入る私の眼の、すでの喜び

そして素早く動いて舌が生きてゐる蟻んこをからめ捕るのだ


国境線、と云ふものが予あらかじめ無かった

夢の中でこそ現実に触れることができる

生まれたばかりの山羊の仔には意識と云うほどのものはないが

親仔は身体で、つながっている

多くの生き物が羊水を舌で舐めとるとき

身体に意識はなく、言葉もなく

どの昆虫も、どの生物もいついつまで

と云ふことがなかったから

だからいつ死ぬかさへ分からないので

とても意識なんぞが生まれる余地さへもないのだった


葉叢も昆虫も、高い低い木々も

流れる雲さへも

すべてのものの境界は重なり合い、

もどかしく入り混じってゐる

小鳥が飛んでゆく

国と云ふものの定義をし直そうと思ふ

国家がえらい無用のもののやうに思へてくる

他者への共感と

公平な観察者としての自分を胸に

歩きだしたつもりだ


私の歩きはロコモートする

私が食べるのは

いつだって私が食べられることを前提としてゐて

意識さへあればのことだが

夢の中でこそ現実に触れることができる

古い恋の切れはしみたいなものだ

蜥蜴は世界に満ちる悲しみを振り払うやうに歩きだす

ざらりと虹色に輝く背中の模様が自慢なんだ


倉石智證

あそこに参拝することは、

国民に国家と云ふものを意識させ、

無意識に構成者全員にそれを強要しようとする。

市民に戻ったらいい。

それも3000万円以上の所得者ではなく、

一度、300万円くらいの年間所得者になったとしたら、

普段考えられ得る意識と、それにまつわる行動も変化するというものだ。

わたしは、ずっと、行っているけれど、

あの人たちは一般の市井に戻った時でも、

必ず参拝するのだらうか。


尖閣も、国家。

秘密保護法も、国家。

集団的自衛権も、国家。

「イスラム国」は強奪、どろぼう人の集団に過ぎないが、

クリミアも、国家。


一方、株式資本主義───

アリハバもユニチャームもfbも

マイクロクレジットも、世界を駆け巡り、

幸福と便益を世界の隅々まで届け

世界に浸潤している。


地球の表面を刻一刻と変化させているものは、

政体のありようであるよりも、

むしろ、市場であり、株式資本主義であろう。


クリミアに関しては、

市民主義を原則として、

介入したロシアには罰金として1兆円ほど支払ってもらう。

ただし、ロシアに対する制裁は一切無しとする。

アメリカ、EU、などの制裁は、ただ、全部の国における一般企業と、

従って、一般市民の生活暮らしを苦しめるだけだ。

全部の市民の生活の犠牲の上で、

国家のやうなものが成立し、維持されるとしたら不思議なことだ。

歴史を停滞させるこれらの多くのベスト・アンド・ブライテストたちの思考停止。

尖閣やヤスコニで、

まさか国家の全部が成り立っていると考える一般市民はいないだらう。

どちらかと云ふと少しも痛痒を感じない人々の方が多いに違いない。

尖閣は少なくとも“グローバル・コモンズ”と云う発想こそ歴史を前へ進めることになる。


ウェストファリア以降の国家を定義しなおすこと。

国連を再定義、改革。

株式資本主義と平和主義を一致、洗練させること。

資本主義や市場主義にどうしてもそぐわない部門に対しての、

再配分を定義しなおすこと。

国家主義が問題のあらかたをややこしくしている。


トカゲはしばらくして

また草むらに帰って行った。