青の湖うみじゃない空にうすい雲が交り

青の湖うみじゃない空に

子どもたちの歓声が降り湧く

そのやうにして子どもたちは

日がな一日飽きることなく遊んでゐるのだ

わたしはまだ、その声を見てゐない

マンションの一角の壁面の何処かにみんなかたまって遊んでゐて

きっと母さんたちの目を盗んで


うす青い真綿のやうな空に

バジルの実が枯れ色に育つ

雀らが舞い降りて来て盛んに啄んでゐるのが聞こえる

だが、私はまだその声も見てゐない

何かの前兆のやうに鳴き声が

薄日射す障子の向うに聞こへ


きっと悲しみにたへられなくなれば

いそいで天と地がひっくり返る

その時は青の湖が上にして

お空の青が下に来る

しかし、相変わらず日がな一日子どもたちは遊び呆け

バジルの実に雀たちは盛んに舞い降りて来て

啄むことを止めない


しかし、天と地の青色が静かに入り混じるころ

わたくしも色んなことに倦み飽きて

顔をチョイとだけ覗かせさへすれば

そこで初めて子どもたちと雀の声を見ることになる

カラフルな子どもたちの服を見て

雀の羽に秋の色を見る

心底、

それはうれしい。


倉石智證