ぼくのまろいトイレットペーパー
トイレットロールを転がす昼下がり
ぼくのまろいお尻を
ぼくにぴったりのまろい便座に腰をおろし
窓を開ければいろんなものが窓から入って来る
花粉の調べや
そろそろそろと開花のしらせや
とりわき
辻を曳く豆腐屋のすこしものかなしい喇叭の調べなど
窓を開けておくといろんなものが
風に誘われて入って来る
ひそやかに話せよ、春の音つれを
ひっそりと静かに、そしてしめやかに
足裏を冷えた廊下に忍びやかに
翳かざす甍いらかにしずしずと
いまやはや、春の憂いの
音つれるまゝに、窓をあけて
一人遊びの
ぼくのまろいトイレットペーパーを
トイレットロールを転がす昼下がり
長い、長い廊下伝いに
ガラスが光る
洗濯物を早く取り込まなくてはと
あゝ、叱られるまへにはやく
はやくそれらを済まさなくてはと
春昼
春の憂ひ
倉石智證