生協とスーパー野口に買い物。
そして───
初売りや赤いリンゴと女の子(智笑)
リンゴの詩を歌へ
雪がしんしんと降って
林も村も覆い隠す
戸を開ける音さへ雪に隠され
昔人妻に恋する男子がゐて
雪よ林檎の香のごとく降れ
とばかりに
リンゴの詩を歌へ
それは赤いリンゴの色の情熱の如くになって
唇と唇を重ね合はす
衣擦れの音も
秘め事の会話も
みんな雪の白さにかき消され
降り積む雪が
音を消す
林檎を持って戸外に立てば
雪がふるふる
しんしんと赤い頬を打ち
罪なき指を悴ませる
電信柱の下に一人立てば
雪は際限なく灰塵のごとく降りさやぎ
攻め立てる、ふるき昔を
だから、リンゴの詩を歌へ
昔人妻に恋する男子がゐて
きみかへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとく降れ
とばかりに
倉石智證
白秋は人妻に恋をした。
乃木希典夫妻が明治天皇の後を追って殉死為された(1912,9/13)翌年のこと。