夫婦になれば毎晩やるこっちゃないか

と、火掻き棒、先赤々と

眉根を曇らせ


「亭主の好きな赤烏帽子」
■ライトアップされたケヤキ並木の下を歩く市民ら

(6日夜、仙台市青葉区)

昨年は点灯式の最中に震度5の地震があった。


歩み行く北国の空の寒く冴ゑて

宮城青葉の欅並木

イルミナに恋人たちの長い列が続く

さうでなければよいがと、行く先々に

底が割れて不意に足首を掴まれるやうな

さうでなければよいがと、

ケヤキ並木のイルミナの暗き帳より

ジングルが励まし、聞こえてくる


小さきものたちはみな胸に灯点し

外表に出て、笑ひ交わしさんざめく

老いの者たちは、家の中にさらに古びて

時の塵が肩に背に積もりゆくまま

懐かしみ、懐かしむ


物語では既に不幸を訝しむが

竈の前で髪振り乱し

火影に顔を赤らめ

焔へ盛る火掻き棒を背中に隠し

眉根曇らせ

物語では

運命に絡め捕られまいとして

女の声が胴間に濁る

そんな顔するなってば、今度はもっとやさしくしてやる

物語では───


倉石智證

(「波止場浪漫」諸田玲子13,12/7日経)

主人公のおケンは清水次郎長の養子で、

けふの物語のシーンでは

次郎長の実子の出来の悪い初志郎に乱暴狼藉されてしまふ。

ケンには思ひ通わしてゐるDrの植木さんがゐるのだが、

ふって湧いたやうな不幸が・・・


なんで私が・・・

運命はしかし、いつても突然跳ねて飛び込んでくる。

そして、襟首を捉まえるのだ。


ジングルベルが聞こえる。

イルミネーションが瞬き、

凍える天の星々は

必ずすべての人に幸せが来るやうにと瞬いているに違いないのだが、

万物の天の運行にも間違いが起こるらしい。


12/7(6日深夜)秘密保護法案が参院で可決。