「亭主の好きな赤烏帽子」
■久里洋二さん「さあ、おいで」

(絵は語る)猫は一度も飼ってなかったが、猫好きの女の気持ちは解る。


オイデ、ネコちゃん

ネコのまんまに

おいで、ネコちゃん

そのジャンプが気になる


悪戯にイタブル

玉を転がすそのゆくへ

そっぽを向いて、またすぐに近寄って来る

尻尾を立てゝ、震わせて

わたしの脛に擦りつける


むくむくとボール型に

もくもくと雲の形に

おいで猫ちゃん

ジャンプしてわたしたちの距離を一気にちぢめる

究極のネコの足裏

やはらかく、音を消して

すぐそこに

窓の枠の上に

じっと外表を見てゐる

青い服の少女が、ひっそりと


倉石智證