時計は不思議なものです

ぼくをはっきり規定します

行く先々に立ってゐて

ほら、指先を出して

大方は、急がせます


いったい、

では僕はなにをどうしたというんでせうか

唇と唇を合わせます

では、思い切って舌先を奥まで入れます

あゝ、いったい何をしてゐるんでせう


では、前へと進みます

でも、とてもそれでは足りません

と云ふことが後で分かったりするのも

時計がほらそこに

をちこちと、古い言葉ではちくたくと

懐かしく永遠に時を告げてゐるからです

愛は、一体全体、

ほんたうにむつかしいデスネ


倉石智證