「亭主の好きな赤烏帽子」

■信用の世界、レバレッジの世界が膨張している。

一国の経済は、

民間部門(国内の需給-設備投資)+政府部門(国民負担-財政支出)=国際収支

・・・それぞれが均衡するように運営するのが望ましい

(下村治、(石油ショックの始まる以前から)1970頃からか。)

「成長率の下方屈折は必至」だと説いていた。

つまり、財布の中で暮らせ、と仰ったのだ。


1971ニクソンショックはマネーを堅実な地べた(金本位)から遊離させ、

マネーは改めて金融商品になってゆく。

為替の不安定はより多くのヘッジを呼び込む。

一方で、強力な労組と、退職金と、年金の存在は、

50歳くらいで悠々自適を謳歌する多くの退職者を生み出し、

年金の運用はますますリスク資産を求めるようになった。

カルパースは株式運用を増大させてゆき、金利の自由化や、

MMFなどの金融セクターが定着してゆく。

「怠惰」と「強欲」が結びついてゆくのである。


通常の世界では、

売り上げがあって、原価があって、支払いがあって、

手元に少々残る。

その数%くらいが実需の経済活動の中での利回りとなる。

額に汗して働くのが嫌になってしまったのだ。

日本も1980年代後半からバブルに。

財テクに一般庶民まで熱狂に駆られ、

みんな財布の外で暮らすように誘惑された。


米国にはファニィー・メイとフレディ・マックの二つの住宅公社がある。

1999グラムリーチブライリー法(Gramm-Leach-Bliley Actが出来、

銀証がまた一緒になってワンストップショップになった。

準備が整えられた───


クリントン政権がおカネを貯めて、

ブッシュジュニアが蕩尽した。

住宅減税と、サブプライムな福音か始まる。

ITバブルがはじけた。

マエストロ・グリーンスパンの低金利政策がそれに拍車をかける。

2001にWTOに加盟した中国はみるみる貿易輸出を伸ばし、

あっという間に外準を貯め込んだ。

国内の未発達な金融市場は、マネーを米国債へと引きつける。

“コナンドラム”「謎だ」───。

グリーンスパンがつぶやく。

米国の長期金利は政策金利を上げた後でも低空のままになっていた。

リスクを隠して、サブプライムは素敵な金融商品として世界中に配られた。


問題はファイナンス(金融)が

政治にも

倫理にも

美学にも、

我々すべてに影響を与えていることだ。

これを取り払わなければいけない。


「亭主の好きな赤烏帽子」
■米国、労使の格差272倍。

米企業の売上高上位350社の最高経営責任者(CEO)が

2012年に受け取った平均報酬額(ストックオプションの行使分を含む)は

1407万4000ドル(約14億円)。 


経済は必要で、必然だ。

・貿易や

・生産の過程や変化に問題があるのではなく、

・金融に危機がある。

一つは健全な実需の投資に向かい、

一方では金融は不確実な変化に対するヘッジであるはずだったものが、

ひずみやゆがみや情報の非対称を利用した投機に向かう勢力ともなった。

(ステファン・エセル94歳)


未来の食卓ではなく

今の食卓を欲する

人間の為の資本主義と云ふか

すなわち、人びとのための資本主義を

A・スミスの国では女王さまが

「なぜ誰もそれに気づかなかったのですか?」と問ふ


ほどなくほほ笑みの企みは

食卓のテーブルの下の蹴り合いで始まる

なんとも嫌味な頬笑みだが

顔は微笑を浮かべながらフォークとナイフの動きは止めない

しきりと咀嚼する

すべては額面通りには受け止められないから

まず、サラダから割り引かれる

トマトとピーマンは大好きなのにまず、割り引かれて

ワインは贅沢だと差し止められた


最初は神の福音のやうに囁きかける

アメリカンドリーム、あなたのお家が持てますよ

無数のワンオブゼムの上に

好色で冷血でグリーディな連中がゐて

勤労の汗ではなく、

その汗を残らず吸い取りマネーに変えるシステムを

政府はいつの間にか捕獲され

ピルグリムス・プログレス,は忘れられ

塵一つない静かな部屋で

金融工学───、

それをまるで愛おしむかのやうにそのvesselをまへに押しやる

サブプライムな人たち

あらゆる債権の前には必ずささやかに働いてゐる勤労者たちの汗がある

爪の灯を集めて證券にするのだ

ディストリビュートは甘く幾重にもオブラートされ

世界中にばらまかれた


あなたがダンスを続けてゐる限りは

わたしも舞台からは下りられない

ノアの箱舟で生き残った人々は、

天まで届く塔を建設しようとして、神の怒りに触れて

あのときポールソンは巨体を子供のやうに折り曲げて

両手を前におずおずと

サブプライムな人たちはその時はまだそのことを知らない

祈りは毎日忘れたことはないが

命と時間は逃げてゆくばかりだ


「なぜ誰もそれに気づかなかったのですか?」

と女王様は聞く

わたしは靴を履く

屹度そんなことだから

眼鏡はテーブルの上に置いたままになるだらう


倉石智證

greedy/distribute/Pilgrim's Progress

リーマン・ショックは

→欧州危機に

→中国輸出減に

→新興国ショックに


「亭主の好きな赤烏帽子」

■1940年代、工場で働く労働者。

いわゆる「搾取論」

労働と労働力の区別と労働力商品の発見、

生産過程における労働者の搾取(「剰余価値」)の発見。

使用価値を経て資本の自己増殖。

労働力を支出→対象化された労働力商品。

資本は労働力商品の額(賃金)しか払わない


「亭主の好きな赤烏帽子」
■低成長での失業率低下が一番の問題である。

プロダクトイノベーションは多くの非正規労働者を生み出してゆく。

経済の低体温は、もはや需給ギャップを埋めるだけでは解決できない。