(絵は語る)
庭のある邸宅。テラスに出ると、ヴァイオリンの木から小鳥が奏でる朝の曲。
ああ、こんな家に住みたいな。
バイオリンの木
と云ふモノはなくて
おそらくバイオリンは木からできてゐて
おそらくバイオリンは木のなかに棲んでゐる
土の中からだったら土の音色の
金属の元素の中からだったらおそらく金管色の
木の中からだから
高い空の風の音とか
木の中に流れる水流の音や
根の微細な奥からやってくるなにか懐かしいささやきのやうな
それらがみんな一緒になって
「ゴーシュくん」
ではないが
木のものはなにかしっかりと落ち着かせるのだ
倉石智證
