猫は歩き

わたしたちは出会ふ

車に乗り

とほくへ走る

ページを開き

こんにちはを云ふ

アギラは未生物で、未だ正義なのか敵なのか分からない

卵をパッケージする

背中に背負う

猫が歩き、私たちは出会う

わたしたちは運命論者のやうになって

手をつなぎ合ひ

皓皓とした月を見上げる

月は真中に在る

薄は左に

屏風がめぐらされ


猫は歩き

わたしたちが出会ふ

DNA(塩基配列)は同じなのにエビゲノムする

毛並みばかりが変わってくる

猫のやうに足音を消して運命論者のやうに歩く

猫の濡れた足跡は紅葉ではなく

梅の花カタチであることに気づく

アギラは莫迦ではなくてそれ未然で

子供たちの頭の中で素直にすくすくと育つ

わたしたちは運命論者のやうになって

手をつなぎ合ひ


猫に教わったこと

甘える、眠る、考える、遊ぶ

無視する、疎遠に反対に行く、まったく唐突に

猫が歩きまわるから、わたしたちも歩きまわることに

でももう、車ではとほくには行かない

ページはテーブルの上で

時たま思ひ出したやうに繰られるばかりだ

卵は半熟がいいな

さやうならはつらいから云わない


しかし、猫が教えてくれたことは最終的には別れだ

しかし、猫が棲みやすい場所は

どうやら人間にもいい街の様子らしい

月を見上げる

月は真中に在る

薄は左に

屏風がめぐらされ


倉石智證