ふすまの端から首だけちょこんと出して

「ちょっ、ちょっ」

などと云ふものだから

それが枕の頭について

二度目に眼が覚めたのは8時だった

大急ぎで起きあがる


ふすまの端から手腕だけちょこんと出して

こっちこっち

などと手招くものだからその気になって足を踏み出したら

敷居に蹴ッつまずいた

四つんばいになっていたが、

大急ぎ立ちあがる


ふすべはなにか煙ぶって暗ずんでゐる心持だ

そのくすんだもやっとした下から足が出て

おやっと思ったら

あれあれ太腿の方まであらわになって来て

これじゃいけないと衾で隠さうとしたら

一度目の眼が覚めた


風呂から上がって

早く夜にならないかなと思ってゐる

なにしろ、はっきりしないことや

その間にも気まずい気持ち柄もあって

だからもう一度寝て見ればと思ふのだが

昨晩のものの整理しやうと思ってゐる


倉石智證