(絵は語る)男のかってなのか、女がかってなのか?
そこで私は突然───
餃子を食べたい
花子さんと食べたい
そのぎざきざのにゅるにゅるのしわしわの皺の
餃子を食べたい
その三角の月見の形のものも
時にまあるいのもあるが
委細構わず
餃子を食べたい
その匂ひやかなものも
まったく野菜の馥郁たるものも
中まで真緑色の餃子も
湯気立てゝ、ほんわかと
しかし、焼きならば
その端々の衣の際のパリッとした焼け具合とか
あるいはその色合いさへ
おいしさを際立たせるのだ
花子さんはポーンとその放埓な脚を投げ出し
食卓も、給仕もないのに
もう我慢できない、待てないわと
あゝ、少しでも早く
餃子を食べたい
花子さんと
そのぎざきざのにゅるにゅるのしわしわの皺の
そのいずれもが真実なのだが
食べる方も、食べられる方も
その埒もない花子さんと少しでも
早く───。
スープも忘れないやうに
倉石智證
