シリア内戦 政権、首都ダマスカス近郊で21日、化学兵器使用か
反体制派「死亡1300人」
21日、首都ダマスカス近郊で酸素吸入をする少年
(シャーム・ニューズ・ネットワーク提供)=ロイター
とってもデセパレイトな気分だ
子供たちのおでこや、はだけた胸に
無造作に貼られたガムテープに数字がふられ
丸太ん棒のやうに並んで
どうして黙りこくってゐるんだ
未来が見えないではなく
未来が突然断ち切られてしまった
妙に、そこが、清潔で明るい場所になった
もう、かあさんと呼べない
もう、とーさんと遊べない
もう、友達と追いかけっこできない
授業はきらいではなかったが
もう、勉強もできない
ちょいとお昼寝してゐるやうにも見える
もう起きなさいよ、とかあさんが身体をゆする
ものすごく淋しさうな顔をしてゐると
不意にとーさんとかあさんは目の前のありたけを抱きしめる
空気だ。
あゝ、こんなことをしたって世界はちっとも良くならないことを知ってるくせに
VXガスだって
まるで隠れやうがないじゃないか
ぼくたちは番号じゃないよ
数字じゃない
この大人たちとはずいぶんとちがふやはらかい皮膚に
浸みとほった。
荷札のやうに番号札を貼られて
どうも丸太ん棒のやうに並んで
妙にそこが清潔で明るい場所になって
未来が一切取り払われて
とってもデセパレイトな気分だ
この青空と変幻する雲と同じやうに
国家、
乃至ないしは、
国家未然を考へてゐる
倉石智證
(13,8,30日経「春秋」)
54、55……。
おでこやおなかに無造作に貼られたガムテープに数字が書いてある。
外傷はなく、ちょっと見には口を半開きにほうけて昼寝しているようでも、
じつはもう息絶えている。
10歳にもならないだろう子どもの死体、
それが何十も丸太ん棒のように並んでいる。
21日にシリアで使われたという化学兵器(神経ガス)の犠牲者の映像。
シリアの内戦では2年半に
10万人が死に、
200万人が難民になって国外に逃れた。
国家とは国民との契約の上で成り立ってゐる。
国家未然───
