栗の季節になった

斜面におおいに転がる

栗がころばり出る

陽の光りが大分白くなった

毬栗を踏んで指折り数へる


そして、つややかな栗を拾って

山の石に供える

ずいぶんな石だ

山の途中にあって

地ナシが黄色く足元に在って


ずいぶん長いこと待ったが、かあさんが来ないので

あゝ、やっぱり母さんは来ないので

石の向かうの山に向かって祈った

辺りはしーんとして

神さまに聞こえたのか


山の祠の脇に湧き出る清水に行って水を飲む

涙がこぼれさうになった


倉石智證